片思いをする彼の瞳に片思いしてしまった私。そう、この恋は実らない。

「でも父と同じで、感情を表現するのが苦手なのは本当のことですわ」
「そうでしょうか? 嬉しい時はほんの少し口角が上がりますし、テンションが高い時はちょっと体が揺れていたりもします。怒った時は吹雪が吹き荒れているようですし、ちゃんと見ていれば分かりますよ?」
「見て……いたのですか?」

 それはそれで、恥ずかしい。

 自分ではまったく気づいていなかったけれど、見る人が見たら分かっていたということでしょう?

「ええ」
「もしかして王女殿下も?」
「もちろん気づいていましたよ。あなたのことが大好きでしたからね」

 あああああ。
 この感情はなんと表現したらいいのだろう。

 そうね。
 簡単に言ってしまえば、穴があったら入りたい。

 私は恥ずかしさのあまり、両手で顔を覆うことしか出来なかった。