「俺と婚約することがそんなにお嫌でしたか?」
「ええそうよ。あなただけは、嫌よ……。だって、私はあなたが好きだから」
こんな醜態を人前で晒すことは初めてかもしれない。
いや、人前だけではない。
最後に泣いたのは、もういつ以来だろう。
「え、は? あの、好きだからって」
「好きだから嫌なのよ。同情や誰かの言いなりになって、婚約者になられても苦しいだけなの。私は、私は……」
取り留めもなく泣きわめく私を、ルドウィックは優しく抱きしめた。
彼の匂いが鼻をくすぐる。
しっかりとした彼に抱きしめられると、もう離れることなど出来ないと感じてしまった。
それからどれくらい泣いていただろう。
落ち着く頃には、やや日が傾きかけていた。
だけど彼の胸の中は温かく、自分でも驚くほど安心しきって動けなくなってしまっていたらしい。
「ええそうよ。あなただけは、嫌よ……。だって、私はあなたが好きだから」
こんな醜態を人前で晒すことは初めてかもしれない。
いや、人前だけではない。
最後に泣いたのは、もういつ以来だろう。
「え、は? あの、好きだからって」
「好きだから嫌なのよ。同情や誰かの言いなりになって、婚約者になられても苦しいだけなの。私は、私は……」
取り留めもなく泣きわめく私を、ルドウィックは優しく抱きしめた。
彼の匂いが鼻をくすぐる。
しっかりとした彼に抱きしめられると、もう離れることなど出来ないと感じてしまった。
それからどれくらい泣いていただろう。
落ち着く頃には、やや日が傾きかけていた。
だけど彼の胸の中は温かく、自分でも驚くほど安心しきって動けなくなってしまっていたらしい。



