片思いをする彼の瞳に片思いしてしまった私。そう、この恋は実らない。

 なぜだろう。
 彼が婚約者という度に苦しくなるのは。

 アリスティーネ、あなたの願いがかなったんじゃない。

 あのあさましく醜悪な願いが。

 同情だって、いつかは変わるかもしれない。

 それに何であっても、今ルドウィックの瞳に映っているのは私なのよ?

 それなのに、何を聞こうとするの?
 今聞いたら、全部がダメになってしまうじゃない。

 冷静にならなくてはと思うのに、動き出した感情を止めることは出来なかった。

「どうして私に婚約を申し込んだのですか? 同情ですか? それとも王女殿下からの願いですか?」
「いや、そういうわけでは」

「ではどういうわけなのです。私と婚約するメリットなど、何もないでしょう」
「メリットって。そういう問題では。どうされたのですか、アリスティーネ様」

 どうされたと聞かれたって、自分でも分からない。

 こんなのは自分でも初めてだから。