片思いをする彼の瞳に片思いしてしまった私。そう、この恋は実らない。

「気づくのが遅くなってすみません」
「どうしてあなたが謝るのですか?」

 事前にコンラッドが乗り込んでくるなど、誰も分かってなどいなかったはず。
 
 だから謝罪を受ける意味はない。

 いや、素直な女性だったなら、ここで怖かったと泣きつくべきなのかもしれない。

 ずっと言われていたっけ。
 可愛げがないと。

 同情でもなんでも、彼はこの国内で貴重な存在だ。

 コンラッドの言葉ではないが、今や私の婚約者になどなりたい者はいないのだから。

「危険は予測すべきものです。しかもあなたは婚約者なのですから」