片思いをする彼の瞳に片思いしてしまった私。そう、この恋は実らない。

 いつも親友のように扱って下さる殿下から、話をしたいと手紙をもらい、急ぎ登城したのだ。

 勝手知ったる私は、侍女から殿下の居場所を確認すると一人中庭へ向かった。

 殿下は王宮の回廊の先、色とりどりの花が咲き誇るその庭にあるガゼボで池を眺めていた。

 透き通るほど白い肌に、黄金の髪。
 日の光で細められたエメラルド色の瞳は、遠くから見ても輝いている。

 そして殿下の少し離れた場所に、彼はいた。

 王女殿下の護衛騎士であり、侯爵家の次男でもあるルドウィック。
 海のように深い藍色の短い髪に、グレーの瞳。

 彼の目は、ただ愛おしそうに殿下を見つめていた。

「……」

 私はどれくらいこの二人を見ていただろう。
 今日だけで、という意味ではない。