この家、全員まともじゃない。②

Side:青雲 澪



澪は琴音の帰りがヤケに遅いと感じ、確認するために家を出ようとドアを開けた。


視界に映ったのは、綺麗な夕方の空と──、


妙に距離が近い、あの二人だった。


「あ、澪くん……。」


琴音……と、藍。


ふと琴音の首筋が赤くなっていることに気づいた。


……?


あまりよく見えなくて琴音に近づこうとする。


でも澪の行動を、真正面から邪魔した人物がいた。


「……琴音に近づくな。」


……ふーん。


随分とキャラ崩壊したな。ついに頭が狂ったのか──、それとも。


こっちが本性だったのか。


「別に、やましい事するつもりないんだけど。」


「うっせぇな。琴音は俺のもんだから。」


吐き気がする程甘いセリフを平然と吐く藍。


横目で琴音を見ると、顔を赤くしていた。


……可愛い。


……って、そんな事思ってる暇なんかない。


「俺のもんって、付き合ったの?」


もし仮に答えが「はい」だったとしても、諦める気は当然ない。


どうせ付き合ってるんでしょ、とため息をついた。


でも二人の反応は、妙に複雑だった。


「……ん〜、えっと……。」


「……中途半端な立ち位置。」


「……。」


澪はどうリアクションすればいいのか困った。


「……あっそ。」


気まずい。かなり。


澪は目を逸らした。


澪はひとつだけ気になってることがあった。


どうして藍は澪に本性を見せてくれなかったの、と。


「……本性は、誰にもあるもんだろ。別に澪だけに本性を見せなかったわけじゃない。」


澪の表情管理が甘いのか、藍の観察力が鋭いのか。


澪が疑問に思ってることを、まんまと返してくれた。


藍のこういうとこが好き。


藍と対等に話せたらいいな。


そんな期待を浮かばせて、澪は二人を家に入るよう促した。