この家、全員まともじゃない。②

私、ヤバいかも。


今、藍くんに抱きしめられている。


体が熱い。手汗とか……。


藍くんに嫌われたくない思いと幸福感が混ぜ合わってごちゃごちゃになる。


蓮くんと藍くん……喧嘩してたけど、大丈夫かな。


でもなんか、お互いあんまり接点無さそうだったから、2人とも話せて嬉しかったんじゃないかな?


そう想像すると、無意識に笑みが溢れた。


「……どうした。」


笑った私を愛おしく思ってくれたのか、優しい瞳で問いかける藍くん。


「ううんっ。藍くんの愛が溢れ出て止まんなくって……。」


にこっと笑う。


すると、藍くんは急に私の胸に顔を埋めてきた。


「ひゃぁっ。あ、藍くん……。」


びっくりして変な声が出てしまう。


差恥と焦燥感で慌てて口元を手で塞ぐ。


きゅ、急に何……?


私の首筋に顔を近づけて────。



ぺろっ。



首筋を、舐めた。


くすぐったい……っ。


じわじわと顔が赤くなっていくのを自覚する。


「あ……、えと……。」


恥ずかしくて変な声しか出せなくなってしまった。


「……俺のものって印、つけさせて?」


とびきり甘い声を出した藍くん。


えぇぇっ!?と、内心焦っている私とは大違いに、藍くんは危険な雰囲気を纏っていた。


唇が、首筋に触れ────。


ちゅ、すっーと吸われていくような感覚。


「俺のキスマ、残してといて。」


「き、キスマって……」


今された事による処理ができなくて、とにかくキスマってなんだろうという疑問だけ考えることにした。


「そんなのも知らないの。……かわい。」


次の瞬間、唇が襲われた。


「……んんっ!?ぇ、ぁ……」


一言も発することを許さない激しいキス。


藍くんの舌が、私の舌を絡めとっていく。


抵抗しようにも、手首を掴まれていてできない。


されるがままに、深いキスをされた。


体温が、熱い。私……、


ようやく離してくれた藍くん。


藍くんと私の唇から、銀の糸がある。


……え。


私、ヤバいことを体験しちゃったみたい……。


「……このまま外に居るのもアレだし、俺の部屋でヤろっか。」


や、ヤるって……!?


藍くんは意地悪く口角を上げる。


「拒否権ねぇーのは知ってるよな?」


「……っ。」


そんな藍くんもかっこいいと思ってしまったのは、重症かな……。


すると、私たちが家のドアを開ける前に、先に内側からドアが開いた。


目に映ったのは────。


──澪くんだった。