檻の外で咲く恋〜玲央視点〜

夜の空気は、少し冷たかった。

それでも。

足は止まらない。

止めたら、きっと逃げる。

玲央「……」

分かってる。

今さら遅いかもしれない。

それでも。

行かない理由にはならない。

玲央「……」

家の前に立つ。

見慣れたはずのドアが、
やけに遠く感じる。

玲央「……」

一度だけ、深く息を吸う。

逃げない。

そう決めた。

ドアを開ける。

玲央「……ただいま」

声が、少しだけ低くなる。

芹羽「……」