檻の外で咲く恋〜玲央視点〜

その言葉に。

芹羽「おかえり」

奥から、声が返る。

芹羽だった。

キッチンに立ったまま、
こっちを見ている。

エプロン姿。

見慣れた光景。

それなのに。

一瞬だけ、目が止まる。

芹羽「ご飯できてるよ」

玲「ああ」

短く返す。

それ以上は、特に何もない。

それでいいはずだった。

羽美「れお、だっこ」

袖を引っ張られる。

玲央「あとでな」

そう言っても、
離れる気配はない。

玲央「……仕方ねえな」

軽く持ち上げる。