檻の外で咲く恋〜玲央視点〜

 別に、不満があるわけじゃない。

今の生活は、むしろ出来すぎてるくらいだと思ってる。

仕事は回ってる。

店も問題ない。

面倒ごとも、対処できてる。

帰る場所もある。

それで十分だろうと、ずっと思ってた。

羽美「れお」

小さな声。

ドアを開けた瞬間に、
足元へ駆け寄ってくる影。

玲央「靴履けって言ったろ」

呆れたように言いながら、
しゃがむ。

羽美が、にこっと笑う。

羽美「だって、れお帰ってきた」

悪びれもなく言う。

その言い方に、
軽く息を吐く。

玲央「危ねえからやめろ」

そう言いながら、
自然と頭を撫でていた。

玲央「ただいま」

遅れて口にする。