檻の外で咲く恋〜玲央視点〜

 帰り道は、驚くほど静かだった。

隣に人がいるのに。

会話がないだけで、
ここまで空気が変わるのかと思う。

玲央「……」

何か言おうとして、
やめる。

言葉が見つからない。

見つかったとしても、
今さら何を言えばいいのか分からない。

玲央「……」

横を見る。

芹羽は、前を向いたまま歩いている。

いつもと同じはずの横顔。

でも。

明らかに違う。

距離がある。

物理的じゃない。

もっと、はっきりした線。

玲央「……」

自分で引いた線だ。

あの一言で。

――最初は責任だった。