檻の外で咲く恋〜玲央視点〜

店が閉まる頃には、
さすがに疲れが溜まっていた。

キャスト「玲央、飲む?」

玲央「ああ」

断る理由もなかった。

グラスが置かれる。

氷の音。

アルコールの匂い。

一口。

喉を通る感覚に、
少しだけ息を吐く。

キャスト「……珍しいな」

横から声。

キャストの一人が笑う。

キャスト「最近、あんま飲んでなかったじゃん」

玲央「気分だ」

短く返す。

それ以上話す気はない。

キャスト「芹羽さん、今日は帰った?」

別の声。

その名前が出た瞬間。

思考が、そっちに引っ張られる。