檻の外で咲く恋〜玲央視点〜

羽美が、頬を膨らませている。

玲央「何が」

羽美「わたしも!」

玲央「順番な」

そう言いながら、
もう片方の腕で軽く引き寄せる。

玲央「重い」

羽美「ひどい」

すぐに返ってくる。

そのやり取りに、
ほんの少しだけ口元が緩む。

―――

リビング。

芹羽「おかえり」

芹羽の声。

キッチンから顔を出す。

玲央「……ああ」

短く返す。

視線が合う。

それだけ。

それだけなのに。

昼の会話が、頭をよぎる。

――距離が近い。