檻の外で咲く恋〜玲央視点〜

プロローグ:何も持たない夜

夜の街は、いつも通りだった。

ネオンが滲んで、
音が混ざって、
誰かの笑い声と、誰かのため息が交差する。

「……」

その中にいても、
何も感じない。

楽しいとも、
退屈だとも思わない。

ただ、仕事だからやっている。

それだけだった。

「玲央、今日指名多いじゃん」

「……そうか」

適当に返す。

数字はどうでもいい。

増えれば評価される。

それだけの話。

「……」

グラスに酒を注ぐ。

同じ動作の繰り返し。

同じ会話。

同じ夜。

「……」

誰かが笑う。