カーネーションを最期の母親に贈る


何日か前の新聞紙を持ってきて


お悔やみ欄をつきだしながら確かめた。


「奥野という人間に面識はあるか」


そう言われたらこいつは顔を顰めた。


初めて見る表情だった。


意気揚々としてきた。


真実を知られるかもしれない。そんな希望は彼の第一句で噛み殺されたーー。


「知らない」