昼休みが終わるころ、スマホが震えた。
表示された名前を見て、私は息を止めた。
大空太陽。
『今日、映画のプロモーションの投稿が出る』
もう出ています。
給湯室を中心に、社内でも絶賛拡散中です。
続けて、もう一通。
『朝比奈絵里奈さんがアンバサダーに就任した。仕事の相手だ』
少し間があって、さらに。
『俺が連絡する立場じゃないかもしれない。でも、向日葵にだけは誤解されたくない』
指先が止まった。
誤解。
私は何を誤解するというのだろう。
私は太陽の恋人ではない。
妻でもない。
婚約者でもない。
一度目の人生では妻だったけれど、今の私はただの幼馴染で、求婚を断り続けている女である。
法的にも社会的にも、嫉妬の権利など一ミリもない。
私は震えないように気をつけながら返信を打った。
『私は誤解する立場ではありません』
送信。
すぐ既読がついた。
返事は、少しだけ遅れて届いた。
『それでも、向日葵は俺が誤解されたくない相手だから』
胸が、ぎゅっと縮んだ。
さらに一通。
『この前、怖がらせたから、今は近づかない。触れない。でも、気持ちは変わらない』
画面の文字が、まぶしかった。
太陽は一途だ。
それは、誰よりも私が知っている。
15年前の約束を抱えたまま、王子様になって迎えに来た人だ。
一度目の人生でも、秘密だらけの結婚生活でも、彼はいつだって私だけを見ていた。
今回だって、たぶん変わらない。
だからこそ苦しい。
太陽が私を好きなままだと困る。
でも、朝比奈絵里奈と親密そうに見えると胸が痛い。
表示された名前を見て、私は息を止めた。
大空太陽。
『今日、映画のプロモーションの投稿が出る』
もう出ています。
給湯室を中心に、社内でも絶賛拡散中です。
続けて、もう一通。
『朝比奈絵里奈さんがアンバサダーに就任した。仕事の相手だ』
少し間があって、さらに。
『俺が連絡する立場じゃないかもしれない。でも、向日葵にだけは誤解されたくない』
指先が止まった。
誤解。
私は何を誤解するというのだろう。
私は太陽の恋人ではない。
妻でもない。
婚約者でもない。
一度目の人生では妻だったけれど、今の私はただの幼馴染で、求婚を断り続けている女である。
法的にも社会的にも、嫉妬の権利など一ミリもない。
私は震えないように気をつけながら返信を打った。
『私は誤解する立場ではありません』
送信。
すぐ既読がついた。
返事は、少しだけ遅れて届いた。
『それでも、向日葵は俺が誤解されたくない相手だから』
胸が、ぎゅっと縮んだ。
さらに一通。
『この前、怖がらせたから、今は近づかない。触れない。でも、気持ちは変わらない』
画面の文字が、まぶしかった。
太陽は一途だ。
それは、誰よりも私が知っている。
15年前の約束を抱えたまま、王子様になって迎えに来た人だ。
一度目の人生でも、秘密だらけの結婚生活でも、彼はいつだって私だけを見ていた。
今回だって、たぶん変わらない。
だからこそ苦しい。
太陽が私を好きなままだと困る。
でも、朝比奈絵里奈と親密そうに見えると胸が痛い。



