別れたはずのママとパパは、愛しの三つ子ちゃんに振り回されています

 結婚……。もしかして稔さんの言っていた話したいことって、福本さんとの結婚のこと? 彼女と結婚するから、今後はいっさい自分に関わるなって伝えるためだった?
 なにを言われても大丈夫と思っていたのに、現実を目の当たりにすると一気に怖くなる。事実を彼の口から聞きたくない。だって聞いたら本当に稔さんのことは諦めなくてはいけなくなる。まだこんなにも好きなのに……。
 現実から目を逸らすことはよくないとわかってはいるけれど、とてもじゃないが今は向き合う勇気がなくて、踵を返した。
 帰りの便は偶然が重ならなくて本当によかった。
 ロビーで搭乗開始を待ちながら、稔さんに【ごめんなさい、急用が入り行けなくなりました】とメッセージを送った。
 すぐに【今度はいつ会える? どこへでも会いに行く】と返信がきて胸が痛む。
 福本さんと結婚するから、それほど私との関係をはっきり終わりにさせたいってことだよね。
 心のどこかで稔さんもまだ同じ気持ちを抱いてくれているかもしれないと、淡い期待を抱く自分もいた。
 全然覚悟なんて決められていなかったんだ。
 福本さんと一緒にいるところを見かけることができて、よかったのかもしれない。このあと稔さんに会って、直接彼の口から言われたら、うっかりあの子たちのことを言ってしまいそうだったもの。
 自分自身を落ち着かせるように深呼吸をして、稔さんに【会わないほうがお互いのためにもいいと思います。連絡先も消してください】と送ってスマホの電源を落とした。
 搭乗開始となり、手続きをして飛行機に乗り込む。帰りの便も窓側の席で、着席後に外を眺める。
 離陸して雲の上に出て綺麗な青空を見ても、どうしてもさっきのふたりの姿が頭から離れてくれない。
 福岡に着くまでは泣いてもいいよね。着陸するまでに泣き止んで、きっと迎えにきてくれているあの子たちに笑顔で再会しないと。
 幸いなことに隣は空席で、私は前後の席の人に気づかれないよう声を押し殺して泣き続けた。

 福岡空港に到着後、荷物を受け取りに行く前に化粧室に寄って目が腫れていないか確認する。
 泣いたせいでメイクが崩れていたため、急いで直してから荷物を取りにいった。そしてロビーに出ると、私を見つけた三人が勢いよく駆け寄ってきた。
「おかいり、ママー!」
「あいたった!」