「来週からいよいよ実地訓練が始まるから、今までのようには会えなくなると思うんだ」
「はい、わかってます。……寂しいけど、稔さんの夢に大きく近づくんですから応援してます」
「ありがとう」
優しく微笑む表情にも、ドキッとなる。本当にちょっとした仕草や言動ひとつで、私の心は大きく乱されてばかりだ。
「あのさ、那奈」
「なんでしょうか」
すると稔さんは真剣な面持ちで私を見つめた。
「まだ先の話だけど、いつか副操縦士になった時は初めてのフライトで那奈に乗客として搭乗してほしい」
それはきっといつかの話ではなく、確実に訪れる未来の話だ。
「はい、ぜひ! 約束ですよ?」
「あぁ、もちろんだ。ありがとう、よりいっそうやる気が出たよ」
目尻にたくさんの皺を作って微笑むものだから、また胸がきゅんとなる。
「那奈は?」
「えっ?」
「ほら、前にいつか海外で働きたいって言ってただろ?」
「あ……はい」
広い世界を見てみたい。高校生の時に漠然とした夢を抱いた。客室乗務員として海外高航空会社に就職して、そして世界中を回りたい。
その夢は両親の離婚によって諦めた。離婚した後、すぐに再婚した父とは違い、母はひとり身になる。
母に頼れる親族はおらず、心配で海外で働くなんて想像もできなかった。
ほどなくして母は病に倒れ、亡くなった。しばらくは母の近くにいたいと思ったし、まずは日本で経験を積んでそれから先のことを考えようと思っていた。その話を稔さんにもしたところ、彼は心から応援してくれたのだ。
「今の仕事にも慣れてきましたし、正直、少しずつ海外で働きたいって思いは大きくなっています」
「そうか」
でもそれは稔さんと離れることを意味する。最初はこんなに彼を好きになるなんて、夢にも思わなかった。
今では稔さんのいない生活なんて考えられない。でも夢を追いかける彼を一番近くで見ていると、私も負けていられない。自分の夢を叶えたいって思いも芽生えている。
「前にも言ったけど、いつだって那奈の夢を応援してる。それに同じ地球上にいるんだ。会おうと思えば、いつだって会える」
「日本とアメリカやフランスでも?」
「はい、わかってます。……寂しいけど、稔さんの夢に大きく近づくんですから応援してます」
「ありがとう」
優しく微笑む表情にも、ドキッとなる。本当にちょっとした仕草や言動ひとつで、私の心は大きく乱されてばかりだ。
「あのさ、那奈」
「なんでしょうか」
すると稔さんは真剣な面持ちで私を見つめた。
「まだ先の話だけど、いつか副操縦士になった時は初めてのフライトで那奈に乗客として搭乗してほしい」
それはきっといつかの話ではなく、確実に訪れる未来の話だ。
「はい、ぜひ! 約束ですよ?」
「あぁ、もちろんだ。ありがとう、よりいっそうやる気が出たよ」
目尻にたくさんの皺を作って微笑むものだから、また胸がきゅんとなる。
「那奈は?」
「えっ?」
「ほら、前にいつか海外で働きたいって言ってただろ?」
「あ……はい」
広い世界を見てみたい。高校生の時に漠然とした夢を抱いた。客室乗務員として海外高航空会社に就職して、そして世界中を回りたい。
その夢は両親の離婚によって諦めた。離婚した後、すぐに再婚した父とは違い、母はひとり身になる。
母に頼れる親族はおらず、心配で海外で働くなんて想像もできなかった。
ほどなくして母は病に倒れ、亡くなった。しばらくは母の近くにいたいと思ったし、まずは日本で経験を積んでそれから先のことを考えようと思っていた。その話を稔さんにもしたところ、彼は心から応援してくれたのだ。
「今の仕事にも慣れてきましたし、正直、少しずつ海外で働きたいって思いは大きくなっています」
「そうか」
でもそれは稔さんと離れることを意味する。最初はこんなに彼を好きになるなんて、夢にも思わなかった。
今では稔さんのいない生活なんて考えられない。でも夢を追いかける彼を一番近くで見ていると、私も負けていられない。自分の夢を叶えたいって思いも芽生えている。
「前にも言ったけど、いつだって那奈の夢を応援してる。それに同じ地球上にいるんだ。会おうと思えば、いつだって会える」
「日本とアメリカやフランスでも?」



