私をフるとか、見る目無さすぎ!

「ねぇねぇ、もしかして、君一人ぃ?」


はっ!(覚醒)もしやナンパ...!?


柚正直、ナンパされてみたい系女子なんです!どんな女子だよってツッコミたい気持ち、ガチ共感!


顔を上げてみると、居たのは可愛い&小悪魔系男子だった。

ミルクティー系の髪色にふわふわ天パ、くりくりハニー色の丸いお目目。

でもちょっと計算されたあどけない意地悪さがある。


柚は天才だから、なんでも理解できちゃうのです!(←こいつサラッと自分のこと天才って言った笑。自己肯定感の塊かよw)


「えぇ〜、うん〜。そうだよぉ〜。」


蕩けるように甘い声、とてつもなく可愛い仕草、破壊力抜群の上目遣い!これで大抵の男子は赤面確定なのです!


「ふぅん〜」


ニヤッと可愛く笑った。企んだような、小悪魔特有の微笑み。


もうなんか、好きピこの子に乗り換えちゃおっかな?(自分で自分の事最低なのは自覚してます!)


「じゃあさ…」

「ななな、何っ?」


興味津々に椅子から立ち上がる。


そんな柚の綺麗な脚を横目に、彼は距離を詰めてきた。


ドンッと、柚の顔のすぐ横に手をつかれた。

思わずん?と疑問形の声が出る。


「僕の名前は九条蓮。なんか君のこと、襲いたくなってきちゃったんだけどぉ、どうすればい〜い?」


最初の自己紹介がそれかよ。


サラッと怖いこと言う九条蓮というやら。

なんか少女マンガのような桃色空気は全くなく、その九条蓮というやらは、獲物を追い詰めた捕食者のような顔をしていた。


まさに悪魔の囁き!


「おおお襲う...?てか邪魔っ!」


正直言ってキモいので勢いよく押す。


でも効果なし。


そりゃそっか!と絶賛ただいま開き直り中。


しかも近くで見ると意外と体格しっかりしてそうだし...、やっぱこいつも男なんだな...。

(ほぼ女っしょ!と陽気に笑っていた自分がこんな状態でこいつやっぱ男だわ、と微妙に自覚してなんか地味に複雑な件)


「えぇっと...、とりま退こ?」


なんかこのままだと十分気まずすぎる空気なんで!


「えー、やだ♪」


...。( 能面 & 無表情 )

あーはいはいこれだから思春期男子は。

柚の事情分かってます?こっちはフラれて落ち込んでる純粋で繊細、か弱い負けヒロインなんですけど?


はぁ...。こんないい女なのにさ、なんで夏沢くんはフったのかな?


もしかして夏沢、清楚系が好みだったりして?なーんて。そしたら柚のアイデンティティまで死ぬし、好きピ相手に人格まで変えて人生を歩まないといけないの?


待って今、めっちゃ柚ベタな事言わなかった?言ったよね!?まさに清楚系ヒロインなのでは...!?(なんつって☆)


「おーい。起きてるぅ?」


九条蓮とやらに声をかけられ、ようやく我に返る柚。妄想に浸ってた柚も素敵!


「ええ、うん。お、起きてる...!」


急いで言い訳のように言ってしまった。

慌てて訂正しようとすると、九条蓮とやらが柚の口を塞いだ。


そして、なんか九条蓮とやらから闇&ホラー系どんよりオーラが...!(なんだこれ?)


「お前さ、今他の男のこと考えてただろ?」


ん?なんか日頃聞き慣れてる甘ーい声とはかけ離れたドS系独占欲丸出しの声が...!


「マジで嫉妬するんですけど?俺の事ちゃんと見ろっつってんだろ。」


おいおい待て待て待て。もしや君、一人称俺ですか?いやギャップヤバすぎでしょ。

普通柚は「ギャップ神〜!はい天使降臨!」と言うけど、なんか今日は調子悪いのかギャップ萌えしない。


しかも逆にこいつが二重人格すぎて怖い。


柚が目ガン開きにして戸惑っていると、ふわっと美しい白い鳩の羽が優しく風に吹かれるようにこいつは雰囲気を変えた。


世界ついに終わった?


何こいつ!?キモッ!!と、ドン引きしていると、さっきのドズ黒オーラは何処か彼方へ行ったのか、また可愛い&小悪魔系男子に戻った。


「えへへ、ごめん〜。ちょっと調子狂っちゃったぁ」


調子狂ってそこまで逝くのか...?という疑問はさておき、こいつの目が据わってるという不幸な事態にプラス、目が全く笑ってないのです!

世界の皆さん!これは...、これは...、なんかウケるくね?


「あ、あはは...。とりま退散〜!」


こっちも真面目に笑えないので顔が有り得ないほどに引き攣りながら、彼の手の下を潜ってとりあえず逃走経路は確保できた。