「……本当か? わかった、すぐ処置に入る」
彼の顔からは笑みが消えていた。
代わりに緊張と責任を背負った医師の厳しい表情があった。
「ごめん、清那……」
「大丈夫です。早く行ってください」
私は精一杯の笑顔でそう告げる。
「ありがとう」
彼は一瞬だけ微笑みを取り戻すと、走り出した。
白衣の裾を翻し、処置室へ向かうその背中を、私は寂しさと誇らしい気持ちで見送った。
一真さんが帰宅したのは、深夜を回ってからだった。
彼の帰りを待ちながら仕事をしていた私は、いつの間にかソファに座ったまま眠ってしまっていたらしい。
玄関の開く音で、はっと目を覚ます。
「おかえりなさい。お疲れさまでした」
「うん、ただいま」
返事をした一真さんは、珍しく疲れた顔をしていた。
いつもなら、どんな大手術のあとでもこんな表情は見せないのに。
患者さんに、何かあったのだろうか。
「……どうしたんですか?」
私の隣に着てソファに腰かけた一真さんに恐る恐る尋ねると、彼は腕を組んで低く言った。
彼の顔からは笑みが消えていた。
代わりに緊張と責任を背負った医師の厳しい表情があった。
「ごめん、清那……」
「大丈夫です。早く行ってください」
私は精一杯の笑顔でそう告げる。
「ありがとう」
彼は一瞬だけ微笑みを取り戻すと、走り出した。
白衣の裾を翻し、処置室へ向かうその背中を、私は寂しさと誇らしい気持ちで見送った。
一真さんが帰宅したのは、深夜を回ってからだった。
彼の帰りを待ちながら仕事をしていた私は、いつの間にかソファに座ったまま眠ってしまっていたらしい。
玄関の開く音で、はっと目を覚ます。
「おかえりなさい。お疲れさまでした」
「うん、ただいま」
返事をした一真さんは、珍しく疲れた顔をしていた。
いつもなら、どんな大手術のあとでもこんな表情は見せないのに。
患者さんに、何かあったのだろうか。
「……どうしたんですか?」
私の隣に着てソファに腰かけた一真さんに恐る恐る尋ねると、彼は腕を組んで低く言った。



