腹黒ドクターの独占欲は、傷心MRを離さない

「一真さん。約束、忘れましたか? 仕事中にそういうこと言うの、禁止って」
「そういうことって?」
「そ、それは……」
「君をきゅんとさせる言葉? 嬉しいな。俺の言葉で君を翻弄させられてるんだ。じゃあ、もっとキュンとさせようかな」
「もう……!」

くすくすと笑うと、一真さんはふと思い出したように言った。

「そうそう、実はこのあと予定がなくなったんだ。予約がキャンセルになって」

明日は週末で二人ともお休みだ。
私が先に彼の部屋に戻って帰りを待つ予定だったけど。

「……ということは」
「うん。一緒に帰って、途中で君が行きたいって言ってたパスタのお店、寄らない?」
「はい!」

思わず目を輝かせた私に、一真さんも嬉しそうに噴き出した。
その時だった。
けたたましいアラーム音が鳴り響いた。急患を知らせる、彼の携帯だった。