三角屋根の下で 君と

そんなバタバタな合宿はあっという間に毎日が過ぎ、金曜日の最後の夕食を作り終えた胡桃は、達成感と共に椅子に座り込んだ

頑張った‥‥うん‥自分でとりあえずは褒めてあげたいくらいには

慣れない生活と作業で本当に大変だったけど、心配されていた料理も誰1人文句を言わず食べてくれたし、普段話さない先輩達とも少しは仲良くなれた気がする

凛が作ったご飯を見ていたらきっと落ち込んでいたかもしれないから、別日で本当に助かった

夕食を終えていつも通り片付けをした後、お風呂から上がった私は廊下で泱を見つけて慌てて
呼び止めた

「ちょっとだけ時間いい?」

『ん‥どうかした?』

「うん‥ちょっと渡したいものがあるからさ」

疲れてるだろうから、そんなに時間はかけたくなかった胡桃は、周りを気にしつつも泱を調理場に連れて行き、電気をつけようとする泱にシーっと内緒のポーズをして見せると冷蔵庫の扉を開けそこから出したものをそっと泱に差し出した

『‥‥これ‥‥って‥もしかして‥』

「うん‥‥うちのプリン。時間が余ったから
 作ってみただけ」


何故か急に恥ずかしくなった胡桃は差し出したもののやっぱり気まずくなり手を引っ込めようとしたが、泱に手首を掴まれてしまった

泱のお母さんがあの日教えてくれた

胡桃ちゃんが作ったプリンが一番好きだと‥

小さい頃に母が作るプリンが大好きで、たった一度だけ母と一緒に作って泱に食べさせたことがある

それを覚えていてくれた事がただただ単純に嬉しかったんだと思う。だから、あの後家ですぐにお母さんにもう一度作り方を聞いて練何回か練習したのだ


『‥‥俺のために作ったの?』

えっ?