三角屋根の下で 君と

『合宿が始まるね』

「うん!県の予選をまずは勝ち抜いて、夏のインターハイに向けて練習するんだって。3年生にとっては最後の大会だしね。」

学校によっては、夏の大会以降の春高まで3年生が所属している所もあるみたいだが、大学に進学する人が殆どの我が校では夏までで殆どの人が引退をしてしまう

夕方、下校時間が決められている為、遅くまで練習出来ない代わりに、大会前などは申請すれば学校の宿舎を利用でき合宿が可能らしい

『胡桃ちゃんは泊まるの?』

「うん、そのつもり。料理はそんなに得意じゃないけど、その他で頑張れることがあると思うから。」

『そっか‥‥私は月、水、金の夜に塾があるから毎日は難しいけど、半分くらいは泊まれると
思う。本当は毎日泊まりたいのが本音』

あれから、時々凛は自分の気持ちを素直に私に隠さず話すようになっている

相変わらず応援するという一言は言えてないものの、今のところは逃げずに向き合えてるとは思う

ガチャ

『2人とも居たんだ』

『おかえり!泱!』

土曜日の午前練習の疲れが流石に見える泱がブルーにやってくると、凛がすかさず駆け寄る姿を机に座りながら眺めた

マネージャーは土曜日は休みだから、ありがたいけれど、その分一年生が準備などをしないといけないから大変なのも分かっている

ドサっと荷物を置くと、泱が私を立ったまま見下ろして来たのでシャーペンをクルクル回しながら見上げた

「お疲れ様」

『ん‥ただいま。』

泱とはあれからゆっくり2人で話す機会もなく、
あの日のことは結局分からないままになっているけれど、お互いどちらからもその話には触れないようにしているのかもしれない