三角屋根の下で 君と

『凛ちゃん、ビブス手伝おうか?』
『おい!俺が行く!!』
『林!お前昨日も言っただろ!?』

練習試合に向けてサーブやレシーブなどを
強化する毎日が続き、限られた放課後の時間も
フルに活用してみんな汗だくで過ごしている

私と凛もマネージャーの仕事に慣れて、前より更科先輩に聞かなくても自ら動けるようになっていた。

凛に関しては、胡桃は想像以上に驚くことが多く、あの小さな体で体力仕事をしっかりとこなし部員とも仲良くなっている

『こら!!休憩中はストレッチ!!』

更科先輩が凛の前に立ちはだかり、集まった男子部員を追い払うと、残念そうに去る姿にももう慣れて来た


『胡桃、ノート見せて』

「ノート?」

汗をタオルで拭う泱にノートを取られるとその場で座り込んだ泱が気になり覗き込む

『スパイクとサーブの打率が見たくてさ。
 どう思う?』

「うーん‥‥クロスは高確率で拾われてる
 気がするから、ストレートにしてみたら
 どう?部員は泱のクセが分かってるから、
 裏をかいてみたら?」

『裏?例えば?』

しゃがんだ私にグイっと近づく綺麗な顔に
何故だか一瞬ドキッとしてしまう

最近泱の距離感が前よりも変に近い気がして
ならない。

部活中はそんなことはないものの、三角屋根の部屋では勉強している時の距離感は、時々どうしていいか戸惑う時もあるのだ


『何話してるの?』

凛は2人とちょうど真ん中辺りに腰を下ろすと、泱と胡桃を大きな瞳を瞬きさせ交互に見つめる

「泱の打率について考えてた。凛は泱の
 プレーを見てて何か気付く?」

『えっ?‥‥えっと‥‥泱はその‥いつも
 カッコいいよ。』