三角屋根の下で 君と

左手で悠人の腰を支えていた胡桃の手首が取られると、すぐにそれが泱だと分かり立ち止まる

『胡桃、聞いてた?悠人は俺が連れてく。』

「えっ?‥でも練習は?」

『部長に送り届けたらすぐ戻るって伝えた。
 ほら、早く‥交代して。』

私が支えていたようにするのかと思っていたら、自分と体格の変わらない悠人を軽々とおんぶしたので驚いた

『泱、歩けるから降ろせって。』

『平気、それじゃ行くぞ。』

あっという間の行動にあっけらかんとしつつ2人を見送り振り返ると、何故か全員がこちらを見ていたことにまた驚いた

まぁ‥あんな泱の行動を目の当たりにしたら
誰だって驚くよね‥‥‥

視線を感じながらもマネージャーの仕事に戻り、いつも通りスクイズに水を補充する為に
外の手洗い場へ向かうと、泱が本当にすぐ戻って来た。

「悠人は?大丈夫だった?」

『ん‥大丈夫。それより‥‥ああいう仕事は
 男に任せろよな?』

「あんなの余裕なんだけど‥。凛なら体が
 小さいから任せられないけど私なら」

『‥‥ダメだろ』

えっ?

両手が塞がっていた私の頭を泱が少し乱暴に撫でると、ムスッとした表情で体育館に戻って行ってしまった。

いつもの泱なんだけど、なんか違う‥‥?

一緒に空手やってたし、バレーボール部で3年鍛えられた体力だってある。

私には凛のような華奢な可愛げはないからこそ、こういう面で活躍したいのにな‥‥

恋がしたい気持ちは継続しているものの、
170弱の高身長で女の子らしさは出せず、
頑張って伸ばした髪も結局似合わなかった

今更背を縮めることなんて不可能だからこそ、自分らしく生きて、そんな私でもいいと言ってくれる人を好きになりたい‥‥