色褪せて、着色して。Ⅶ~カンパニュラ編~

 嘘偽りのない言葉で太陽様が「神様」と言うものだから。
 また「えっ」と声を漏らしてフリーズした。

 嘘をついているようには見えない。
 いや…それ以前に太陽様は嘘がつけない人だ。
 もしかして、また誰かに騙されている?

 以前、私が国王の弟、蘭殿下の怒りを買って廃墟に移り住んだ時。
 太陽様は、私が野宿して日々を乗り越えて暮らしていた…と誰かに言われたらしい。
 騎士としては致命的な優しさを持つ太陽様のことだから。
 まーた、誰かに騙されているのかもしれない。
「えーと。まあ、神様が決めたとしても。時期としては早すぎません?」
 太陽様は意味がわからないのか「うん?」と首を傾げてしまっている。
「だって、ルピナス様にはもうすぐ弟が出来るかもしれないですし。ローズ様だって…」
 ローズ様だってお子様が生まれる可能性があるじゃない。
 と、口に出して言うことが出来なかった。

 口に出したら、本当になりそうで、怖かったのだ。
「うーんと。でも、神様が決めたんで」
 と、あっさりと太陽様が答えた。
 私は軽く顔をしかめた。
 頭が痛い…
 これ以上、聴いても混乱するだけだ。
「じゃあ、えっと…太陽様はルピナス様とお話されたことはありますか?」
「ルピナス様と話す!?」
 太陽様が大声を出すと、怪訝そうな表情でこっちを見てきた。