色褪せて、着色して。Ⅶ~カンパニュラ編~

 大声で、はっきりと言いのけると。
 小さい騎士が「なんで!?」と言った。

「この国の人間、みーんな大嫌い。だいたい、何!? 私、今牢屋に入れられてるのよ。ふざけないでよ。嫌い・嫌い・嫌いよ」
 思わず、大声でわめくと。
 2人の騎士は一歩、後ろに下がった。

 …調子にのってしまったけど。
 もう遅い。
 深呼吸をすると。
 急に冷めてくる。
「そうね…。私自身が嫌いよ。これで、いい?」
 鎧姿なので、当然2人の表情を読み取ることは出来ない。
 この尋問は一体、なんなのだろう。

 下を向いて。
 右に歩いたり、左に歩いて見せる。
 明らかに不審な動きをしたというのに。
 騎士たちは黙り込んでいる。
「私は自分自身、美しい人間だと思っている。でも、性格は祖国でもこの国でも受け入れられないというか…。まあ、わかってるわ。自分でも、自分の性格が良くないことぐらい」
 小さい騎士の方を見る。
「今、言えるのは自分自身を好きになれない。それだけ。理由は教えない」
 教えたところで。
 この小さい方の騎士は意味がわかっていないに違いない。
 私と同じで海外から来た騎士なのだろうか?

「どうなさいますか?」
 大きな騎士が小さい騎士に言った。
 え、ということは。
 こっちの小さい騎士のほうが身分が高いの?

 小さい騎士は黙ってこっちを向いている。
「申し訳ありません。マヒル姫」