色褪せて、着色して。Ⅶ~カンパニュラ編~

 私のストレス解消法といえば、ピアノを弾くこと。
 明け方までピアノを弾き続け。
 気絶するように眠った。

 目が覚めると、昼だった。
 あーあ。
 起きたところで、誰がいるわけでもない。
 身支度を終えて、下に降りて。
 ダイニングルームに向かう。
 たいてい、バニラの姿はない。
 テーブルの上にパンや果物などが用意されてあるので。
 それを軽くつまむ。
 だが、テーブルの前には太陽様が座っていたので。
 あ、夢だなと思った。
「おはようございます」
 と、笑顔で太陽様が私を見る。
 夢の中でしか会えないのか。
「おはようございます」
 と挨拶して、太陽様の目の前に座る。
 夢にしては、座った感触があった。
「あれ?」
 自分の出した声にようやく夢じゃなく現実だということに気づいた。

「え!? なんでいるんです」
 飛び跳ねるように、立ち上がる。
「マヒル様。お食事になさいますか?」
 台所からやって来たのは、バニラだ。
 バニラもなんでいるんだろう…

「えーと…太陽様もバニラもお仕事は?」
 バニラに「食べます」と言うと。
 すぐにパンと湯気の出たスープを用意してくれた。
 太陽様は、騎士の制服を着たままなので。
 もしかしたら、何かあったのかもしれない。