トペニは私を見て、心底呆れた顔をした。
「大丈夫っすか? どこか具合が悪いんすか?」
「いやいやいや。なんでいるの? トペニもどうせオーロラ姫のところに行ったんじゃないの?」
「はい? なんで俺が他国の姫君のところに行かなきゃいけないんすか?」
本人が言うとおり、トペニはイケメンである。
整った顔ではっきりと言われたので。
「確かに」と納得してしまった。
バニラも、スズメもオーロラ姫のところへ応援に行ってしまった。
そして、先生もオーロラ姫の味方になってしまった。
だから、トペニもてっきりオーロラ姫のところに行っていたのだとばかり思い込んでいたのだ。
「…ああ。もう…ごめん。とりあえず、散歩するわ」
「了解っす」
にっこりとトペニが笑って言った。
村と王族の敷地内の間に庭園がある。
王家の庭園と比べてしまったら、はるかに小さいのかもしれないけど。
色とりどりの花が咲いていて。
薔薇のアーチがあって。見る人を楽しませてくれる。
この庭園は村人も騎士も立ち入り自由で。
でも、実際のところ。ほとんど人の気配はない。
毎日、夕方になると。
ここをバニラと一緒に散歩するのが日課なんだけど。
いつもより、時間が遅いせいだろうか。
西日が眩しく感じられた。
「やっぱり、花っていいね」
なんだか年寄り臭いことを言ってしまうが。
トペニは黙って頷くだけだ。
整備された道を歩いていると。
後ろに立っていたトペニが前に立った。
「誰かいるっす」
腰に着けていた剣に手を添えたトペニに。
お、ちょっと騎士らしくない? と嬉しくなってしまう。
だが、聞き覚えのある声に。
「トペニ、隠れて」と慌てて草木に紛れ込んだ。
西日のせいで、シルエットだけが見える。
だが、私は耳が良い。
「なんで、オーロラ姫がいるの」
しかも、オーロラ姫は立って歩いているではないか。
よたよたと一歩一歩を踏みしめるように、進んでいるが。
ぐらっと身体が横に傾いた。
「大丈夫ですか」
側にいた太陽様がオーロラ姫を抱きかかえる。
「無理して歩かなくても大丈夫っすよ」
…信じられないくらい優しい言葉だ。
オーロラ姫は太陽様に抱きかかえられたまま、身動きを取らない。
これ以上、見たくない。
見てはいけない。
「トペニ、帰るよ」
「大丈夫っすか? どこか具合が悪いんすか?」
「いやいやいや。なんでいるの? トペニもどうせオーロラ姫のところに行ったんじゃないの?」
「はい? なんで俺が他国の姫君のところに行かなきゃいけないんすか?」
本人が言うとおり、トペニはイケメンである。
整った顔ではっきりと言われたので。
「確かに」と納得してしまった。
バニラも、スズメもオーロラ姫のところへ応援に行ってしまった。
そして、先生もオーロラ姫の味方になってしまった。
だから、トペニもてっきりオーロラ姫のところに行っていたのだとばかり思い込んでいたのだ。
「…ああ。もう…ごめん。とりあえず、散歩するわ」
「了解っす」
にっこりとトペニが笑って言った。
村と王族の敷地内の間に庭園がある。
王家の庭園と比べてしまったら、はるかに小さいのかもしれないけど。
色とりどりの花が咲いていて。
薔薇のアーチがあって。見る人を楽しませてくれる。
この庭園は村人も騎士も立ち入り自由で。
でも、実際のところ。ほとんど人の気配はない。
毎日、夕方になると。
ここをバニラと一緒に散歩するのが日課なんだけど。
いつもより、時間が遅いせいだろうか。
西日が眩しく感じられた。
「やっぱり、花っていいね」
なんだか年寄り臭いことを言ってしまうが。
トペニは黙って頷くだけだ。
整備された道を歩いていると。
後ろに立っていたトペニが前に立った。
「誰かいるっす」
腰に着けていた剣に手を添えたトペニに。
お、ちょっと騎士らしくない? と嬉しくなってしまう。
だが、聞き覚えのある声に。
「トペニ、隠れて」と慌てて草木に紛れ込んだ。
西日のせいで、シルエットだけが見える。
だが、私は耳が良い。
「なんで、オーロラ姫がいるの」
しかも、オーロラ姫は立って歩いているではないか。
よたよたと一歩一歩を踏みしめるように、進んでいるが。
ぐらっと身体が横に傾いた。
「大丈夫ですか」
側にいた太陽様がオーロラ姫を抱きかかえる。
「無理して歩かなくても大丈夫っすよ」
…信じられないくらい優しい言葉だ。
オーロラ姫は太陽様に抱きかかえられたまま、身動きを取らない。
これ以上、見たくない。
見てはいけない。
「トペニ、帰るよ」



