バニラだけは、自分の味方でいてほしかった。
「あのお、マヒル様…」
一心不乱に弾いている私の後ろで。
スズメが声をかける。
来たな、と思った。
「忙しいから、簡潔に言ってもらえる?」
手を止めて、スズメを見た。
もう、感情を抑えるのは無理だ。
スズメは「すいません」と頭を下げる。
「すいません。別件が入りまして。マヒル様の護衛の仕事から暫く離れさせていただきます」
「別件?」
「はい! オーロラ姫様の護衛の援護をしてきます」
脳内の血管がぶっちーんと切れるのではないかと思った。
ただ、昨晩の光景を思い出して。
バニラだけじゃなく、もしかしたらスズメも…という予想は当たった。
「スズメもオーロラ姫の侍女に頼まれたの?」
無意識に睨んでしまう。
スズメは直立不動になった。
「いえ。自分は上司からの命令です」
どうも、スズメ相手だと悪口が出そうになる。
ぐっと堪える。
「そう。上司の命令じゃ仕方ないよね。行ってらっしゃい」
くるりと前を向いて。
また、ピアノを弾き続ける。
スズメなんて、大嫌い。
みんな、みんな大嫌いだ。こん畜生。
「あのお、マヒル様…」
一心不乱に弾いている私の後ろで。
スズメが声をかける。
来たな、と思った。
「忙しいから、簡潔に言ってもらえる?」
手を止めて、スズメを見た。
もう、感情を抑えるのは無理だ。
スズメは「すいません」と頭を下げる。
「すいません。別件が入りまして。マヒル様の護衛の仕事から暫く離れさせていただきます」
「別件?」
「はい! オーロラ姫様の護衛の援護をしてきます」
脳内の血管がぶっちーんと切れるのではないかと思った。
ただ、昨晩の光景を思い出して。
バニラだけじゃなく、もしかしたらスズメも…という予想は当たった。
「スズメもオーロラ姫の侍女に頼まれたの?」
無意識に睨んでしまう。
スズメは直立不動になった。
「いえ。自分は上司からの命令です」
どうも、スズメ相手だと悪口が出そうになる。
ぐっと堪える。
「そう。上司の命令じゃ仕方ないよね。行ってらっしゃい」
くるりと前を向いて。
また、ピアノを弾き続ける。
スズメなんて、大嫌い。
みんな、みんな大嫌いだ。こん畜生。



