色褪せて、着色して。Ⅶ~カンパニュラ編~

 なんで、こんなにイライラするのか。

 ヒサメの先生に腹立つことは多々あるけど。
 言っていることは適格なんだよね。
 もし、オーロラ姫が弾いた後、弾いて見ろって言われても。
 私は弾く勇気がなかったと思う。

「お疲れ様っす!」
 家の前に立っていたのは、トペニだ。
「スズメパイセンお疲れっす! 交代っす」
 さっきまで、イライラしていたけど。
 トペニを見たら。怒りが半減した。
「マヒル姫様。今夜のリクエストは1通っす」

 トペニは郵便受けから、カードを1枚取り出して私に渡した。
 毎晩、私は騎士たちからリクエスト曲を募集して。
 ピアノを演奏している。
 いつもは少なくても10通以上はあるというのに。
 ここに来て、初めての1通とは…
「・・・騎士たちも忙しいのかな?」