色褪せて、着色して。Ⅶ~カンパニュラ編~

 騎士たちの間でも。
 国王の親戚のオーロラ姫というのは、話題の中心となっているらしい。
 国で死ぬことを許されず、親戚であるローズ様を頼ってやって来たオーロラ姫は。
 老兵と老女を連れて、着の身着のままやって来た。
 てっきり50代かと思っていたら。
 スズメの話曰く、16歳だそうだ。
 それを聴いたバニラがまた、わんわん泣いたから。
 げんなりしてしまう。

「マヒル様。また、あの人達が…」
 ピアノを弾いていると。
 恐る恐るといった感じでスズメが言った。
「また」という言葉に嫌な予感を覚える。

「どうもどうも。2日ぶり? ジョイさんとマリアちゃんだよお」
 陽キャ全開。
 明るいノリで挨拶するジョイさんの横でマリアちゃんが疲れた表情を浮かべて立っている。
 ジョイさんは2日前だというが、実際は3日前。
 この短いスパンでの呼び出しが更に不穏な空気を生み出す…気がした。

 背の高いジョイさんがアヒャヒャヒャと笑っている。
 いつも明るくて笑顔なのは、ジョイさんの良いところだけど。
 とんでもないことを言われるのではと身構える。
「単刀直入に言う。もう一度、オーロラ姫に会ってもらう」
 目の下に分厚い隈を作ったマリアちゃんが言い放った。