色褪せて、着色して。Ⅶ~カンパニュラ編~

 暫くの間、バニラは泣き続けていて。
 空気が重たい中、馬車が停止した。
 マリアちゃんの手を借りて、馬車を降りると。
 マリアちゃんが、じっとこっちを見た。
「太陽夫人」
「はい」
「…いや、なんでもない。じゃあな」
 マリアちゃんは顔をそらした。
「マヒルちゃん。まったねー」
 最初から最後まで軽いノリでジョイさんが言った。

 家の前で盛大にため息をつくと。
 ぽつぽつと空から雨が降ってきた。
 この国は晴れの国って言われるくらい日中は雨が降らないけど。
 珍しい…
「洗濯物がー!!」
 さっきまで号泣していたバニラは血相を変えて走り出す。
 うん。バニラは泣いているよりも。
 きびきび動いているのが、バニラらしいよ。