色褪せて、着色して。Ⅶ~カンパニュラ編~

 マリアちゃんとジョイさんは国家騎士で。
 私が王弟である蘭殿下の怒りを買って、廃墟に移り住んだ際。
 手を貸してくれたのが、2人だった。

 マリアちゃんとジョイさんは親切にしてくれて。
 報酬として、王様に口利きをしてほしいとのことだったので。
 ローズ様には、それとなく2人のことは伝えておいた。
 その後、2人は出世して。
 会うことはなかった。

「ある方が姫様をお呼びですって」
 あらまあ! というビックリとした表情でジョイさんが言った。
「あれ、こういうときの伝令係って、クリス様なんじゃ?」
 私にとっての疫病神はすなわちクリス様である。
 …こんなこと言ったら、絶対に怒られるだろうけど。

 今までの伝令係といえば、クリス様か太陽様と同期のジャック様だったけど。
 まさか、マリアちゃんとジョイさんが家にまで来るとは…
 誰に呼び出しされたんだろう?
「今、城は猫の手を借りたいほど忙しいからな。だから、俺達が来ただけだ。だから、早く馬車に乗ってくれ」
 いつも、私と話すときはイライラしているマリアちゃんだけど。
 今回は物凄くイライラしているように見えた。
「バニラちゃんも来て。護衛もとりあえず、全員来いってさ」
「なんで全員?」
 ジョイさんに明るく言われたけど。
 不信感でしかなかった。