色褪せて、着色して。Ⅶ~カンパニュラ編~

 太陽様が任務という事は。
 てっきり海外か国内で出張なんだろうなと思い込んでいた。

「これ、母からの土産です」
 太陽様が任務でどこかに行ってしまったので。
 トペニとスズメの護衛の仕事が再開することになった。
 スズメは実家に帰って。
 お母さんと過ごしたらしい。
「まあ、綺麗なグラスですわ!!」
 テーブルに置かれたのは淡い青色のグラスだ。
 海を連想させるような、綺麗な青。
 これで、冷たいお茶でも飲みたくなる。
「スズメ様のお母様は硝子職人なのですか」
 私が黙っている間、バニラは次から次へと質問している。
「まっさかあ。僕の母は何も出来ない人ですから」
 何も出来ないということは、貴族なのか?

 ちらりとスズメを見る。
「母は今、食器を集めるのにハマっているらしくて。このグラスを作っている職人さんと仲良くなったらしくて・・・」
 とペラペラ喋っていた、スズメだったが。
 何かを思い出したのか、急に表情が暗くなった。
「なんか、親子水入らずだったのに、ごめんね。休暇が短くなっちゃって…」
 慌てて謝罪する。
「いえいえ。むしろ、感謝します! あまり休暇が長いと…」
 スズメは何かをまた思い出したのか、はあ…とため息をついた。
 よくわからないけど、何かあったんだろう。

「スズメ様、お土産ありがとうございます。お母様にもよろしくお伝えくださいませ」
「いえいえ。とんでもないです」
「さっそく、グラスは使わせていただきますね」
 ふふふとバニラが笑った。
 ああ、バニラのように。大人になりたい。
 大人の対応が出来る人間になりたい。