凛とした夜に輝く月は。



♪カラーン・コーン・シャララ〜♪


教会のようにひたすら音を奏でるチャイムの音は、午前5時30分30秒ぴったりにいつも鳴り響く。

ここは街を見渡せる大きな山の上にある屋敷。

少なくとも教会とは縁の遠い和風な屋敷がそびえ立っていた。


「んやば!起きなきゃ!」


そのチャイムが聞こえた時17歳の少女は勢いよく飛び起きた。

どうやら、寝起きは良いみたいだ。

部屋についている洗面台で準備をし、向かったのは大きなクローゼットルーム。

壁一面についている棚には服が詰まっている。

そして迷いなく手に取ったのは高校の制服。

慣れたようにパパっと着た制服は少女を歳相応な印象にさせた。



「おはよう一葵!今日もはやいね!」


少女が声をかけたのは世話係の橘一葵(たちばないつき)。

身長が185センチあるガタイのいい体型の彼にいつも通りあいさつをし、隣に並んだ。


「おはよう、凛月。おまえ今日も2時くらいまで起きてただろ」


少女の名前は南渕凛月(なんぶちりつ)。

この街を治める極道、南渕組の一人娘であった。