好きでも嫌いでもなく、もうどうでもいい~自称聖女に寝取られたあなたになど、何の価値があるとでも?~

「どうぞ」

 殿下がそう答えると、にこやかな笑みを浮かべながら聖女が部屋に入ってきた。

「きゃー、女子会に呼んでくださり、ありがとうございますぅ。あたし、こういうの初めてなんで嬉しー」

 ルンルンで入って来たキララは、私たちに挨拶をするわけでもなく、向かい側の席に座った。

 そしてテーブルに並べられた色とりどりのお菓子たちを、眺めている。

「この世界にはなれなしたか、聖女様」

 私がそう切りだすと、彼女はお菓子を食べながらようやくこちらを見た。

「ええ。ダレンたちのおかげで、だいぶ寂しくなくなったわ」

 挨拶も名乗ってもいないのに、ダレンの名を出すと言うことは私が誰か知っているのね。

 知っている上で、わざと言っているという方がいいかしら。

「そうですか。それは良かったです」
「でもごめんねー? ダレン、あなたの婚約者なんでしょう? あたしがずーっと一人占めしちゃってて」

 ごめんと言う言葉と、その表情はまったく一致しない。

 むしろ私の反応を楽しむかのように、彼女は小首を傾げながら下から私の顔をのぞき込む。

 ダレンからキララの話は何度か聞いていた。