桜の奇跡❀廉side

文化祭の時、うちの高校へ来た時は、未桜と未桜の友達はちょっと浮いて見えた。

カラーが違うっていうのか。

俺の学校は不良と、世間では呼ばれている奴が多い、
いい奴もいるけど。

俺は友達に未桜が彼女だと、自慢して歩いた。


みんな、「どこで見つけたの?」「どこで出会ったの?」と興味津々だった。

廊下で男子だけでなく、クラスのギャルっぽい女子とも、俺の恋話で盛り上がってた。

俺のクラスはお化け屋敷で、数人の真面目ぎみの奴らが準備してくれた。

教室の壁に黒のゴミ袋を貼り付けて、真っ暗にして。

俺は吸血鬼で、ワタは貞子。

ワタは黒髪で何も見えないし、口にしゃべると長い髪が入るから嫌だと言っていた。


なんか、ハロウィンの仮装みたいなお化け屋敷だけど、俺もワタも全く準備に参加してないから、文句言えない。

本格的な襟のついた大きなマントと、牙が用意されやや白めのメイクで、それっぽくなった。

しかし、目力が強い悪人みたいな顔にメイクされ、その顔で未桜に会うのは嫌だと思った。

ワタのほうが、カツラかぶるし衣装も長い裾で暑そうで可哀想だった。

未桜と友達の声が聞こえてきてきた。

今日何人も俺は、段ボールの棺に見立てられた箱から起き上がり人(お客さん)を驚かせてきた。

ものすごい、キャーキャー言って、男子も逃げていくので楽しかった。

「「怖い〜ヤダー!!」」
一通りのお化け、火の玉や生首ゾーンを通った未桜達の声がする。

俺はタイミングをみて、暗闇で寝転がった状態から起き上がる。

段ボールの蓋が跳ね上がり、棺桶の蓋から俺は出た。

わざと牙が見えるように、不気味に笑ってみた。

「キャーーーー」
めっちゃ未桜は泣きそうな顔で叫んだ。

心配になる…俺なんだけど…ごめん怖すぎたかも。

最後にワタの貞子にもう恐怖で未桜は驚いてた。

さらに吊るされていた、こんにゃくが頬に当たったようで、めっちゃビックリしてた。

ビックリした未桜に、驚かす役のワタが驚いて衣装の裾を踏んで転んでた。


「うわぁ〜」
未桜と友達は走っていった。

俺は心配になって追いかける。

「吸血鬼がー
えーなんで追いかけてくるのーーー!!」
そう言って、未桜は逃げた。

「ちょっ、ちょっと、待って未桜!!
ごめん、言ってなかった」
俺は呼び止める。

息が苦しい。

その声に、俺だと気づきやっと止まった。

「なんだ、廉か…ホント……怖かった」
息を切らせながら、ほっとしたように、未桜は言った。

そういえば、未桜に吸血鬼役だって言ってなかった。

俺は未桜を抱き寄せた。

「廉だ…廉の匂いがする。

メイクすごいね。

一瞬見ただけじゃ分からなかった」
未桜はそう言った。

「俺だって、気付いて欲しかったかも」
ちょっと、すねて言った。

「だって暗かったもん」

「暗くても」
俺は真っすぐに未桜を見つめた。

未桜の見つめ返してくる、大きな瞳が可愛くて仕方ない。

ずっとこうしていたかった。







しばらくして、
「驚いた未桜、面白かった」
そう言うと、未桜はちょっとムカついた顔をしてた。

でも「吸血鬼の廉カッコいいね」そう、未桜が言ってくれた。

初めてカッコいいって言われた。

嬉しいんだけど、普段じゃなくて、悪人みたいな白塗りのメイクしてるほうがいいって、ちょっと複雑。