桜の奇跡❀廉side

「おーお疲れー」
そう、話かけた。

未桜はビックリした様子だった。

「お疲れ様」
笑顔で未桜は言った。

「今日近くでイベントあったから、バイト忙しかったね」
未桜はいつもと変わらない。

「ほんと、大変だった。
トイレ行けなくてきつかった。
レジから抜けられなくて」
なんて、どうでもいい話をして、


「あのさ、こ、こんど…今度」
俺の声が裏返る。あと一歩が出てこない。

ワタの言葉が背中を押す。


「良かったら遊園地でも……行かない?」
言ってから、なんか間違えたかも?って思った。


「いいよ……」
そう微笑んでくれた。

いや、でもさ結局自分で考えてないから、勢いでしかなかった。

カフェとかご飯とか、映画、水族館そういう誘いから始めたほうが、無難だったんじゃないかと思った。

しかも、ジェットコースター苦手だったんだ。

全然カッコ良くいられそうにない。
困った。




当日はいつもの制服姿とは違う、ワンピースの可愛い私服に見惚れてしまった。

こんなに可愛い子が俺の彼女だったら、どんなに幸せだろう。

遊園地のスピードの出る乗り物に乗ったら、やっぱりぐるぐる回って具合が悪かった。

最悪だ。

必死に隠すけどバレてて。


「速いの苦手なんだね」
未桜に言われてしまった。



カッコ悪……



「いや、全然……だ、大丈夫っ!!」
笑顔を作ってみる。