***
桜の花びらが舞い落ちる道を、並んで歩く。
ようやく同じ大学で、同じ時間を過ごせる。
それは嬉しいことだった。
けれど——
「ねぇ、見て。あれ、佐伯先輩じゃない!?」
「うそ、隣の子誰? 彼女!?」
彼は、想像以上に有名人だった。
登校中、あちこちから視線を感じる。
一方で当の本人は、
そんな周囲を気にも留めず、まっすぐ前だけを見つめたままゆっくりと歩いていた。
「あの……教室までついてきてもらわなくても大丈夫だから……ね?」
「迷子になられたら俺が困るんだよ。……ほら、こっち来い」
颯が私の肩を自然に抱き、ぐいっと自分の方へ引き寄せた。
(なんだか完璧な「王子様」の隣にいるのが私だなんて、嬉しいような申し訳ないような……)
そんな複雑な気持ちで歩いていたその時。
「佐伯先輩!」
背後から元気な声が響いた。
「今度のフットサル、助っ人来てくだ——」
男子が横に並んだ瞬間、目が合う。
「えっ……彼女っすか!?」
「!!」
否定しようと口を開いた瞬間、別の男子たちが颯を囲んだ。
「よっ、イケメン!今日も朝から大変だね〜……って、おい、まじかよ!」
「颯、彼女できたん!?」
颯は笑うだけで否定も肯定もしない。
「ち、違います……!」
「エース、探してたぜ。次の試合出てくんない?」
「それよりサッカー部の飲み会、いい加減来るよな!?」
彼に吸い込まれるように次々と寄ってくる男子たちに、私の声はすぐに掻き消された。
「気が向いたらな」
けれど颯は、器用に受け流していく。
桜の花びらが舞い落ちる道を、並んで歩く。
ようやく同じ大学で、同じ時間を過ごせる。
それは嬉しいことだった。
けれど——
「ねぇ、見て。あれ、佐伯先輩じゃない!?」
「うそ、隣の子誰? 彼女!?」
彼は、想像以上に有名人だった。
登校中、あちこちから視線を感じる。
一方で当の本人は、
そんな周囲を気にも留めず、まっすぐ前だけを見つめたままゆっくりと歩いていた。
「あの……教室までついてきてもらわなくても大丈夫だから……ね?」
「迷子になられたら俺が困るんだよ。……ほら、こっち来い」
颯が私の肩を自然に抱き、ぐいっと自分の方へ引き寄せた。
(なんだか完璧な「王子様」の隣にいるのが私だなんて、嬉しいような申し訳ないような……)
そんな複雑な気持ちで歩いていたその時。
「佐伯先輩!」
背後から元気な声が響いた。
「今度のフットサル、助っ人来てくだ——」
男子が横に並んだ瞬間、目が合う。
「えっ……彼女っすか!?」
「!!」
否定しようと口を開いた瞬間、別の男子たちが颯を囲んだ。
「よっ、イケメン!今日も朝から大変だね〜……って、おい、まじかよ!」
「颯、彼女できたん!?」
颯は笑うだけで否定も肯定もしない。
「ち、違います……!」
「エース、探してたぜ。次の試合出てくんない?」
「それよりサッカー部の飲み会、いい加減来るよな!?」
彼に吸い込まれるように次々と寄ってくる男子たちに、私の声はすぐに掻き消された。
「気が向いたらな」
けれど颯は、器用に受け流していく。

