***
「うーん」
朝食を終えた私は、2枚のワンピースを両手に持ち鏡の前に立っていた。
「迷ってるのか?」
背後から突然響いた声に肩が跳ねる。
部屋の入口で、颯が壁に寄りかかりながら腕を組んで立っていた。
「……ちょっと、ノックくらいしてよ!」
「お前が開けっぱなしにしてるんだろ?」
颯が用意した「私専用ルーム」が、どこか自分の部屋の感覚になっていた私は、うっかりドアを開けたままにしていたことに今更気づいた。
「そうだった……」
颯は涼しい顔で部屋に入ってくると、私が手にしていたミニ丈のワンピースを見てわずかに目を細める。
「それは、露出が多すぎる」
「えー、でも可愛くない?」
「似合うけど……変な”虫”が寄ってきたら困るだろ?」
「えっ……虫はちょっと、苦手だから困る……」
颯はふっと笑うと、丈の長い方のワンピースを指差した。
「俺は、こっちがいいと思うよ。……美桜の白さが引き立つし、上品だ」
「……じゃあ、お兄ちゃんがそう言うなら……」
私は、言われるままに颯が選んだワンピースに着替えた。
そして靴を履く私の隣に、彼は当然のような顔をして並んだ。
「俺も一緒に行くよ。お前一人じゃ迷うだろうし」
「大丈夫だよ……多分」
玄関の鏡で前髪を整える颯が、鏡越しに私を見る。
「多分、だろ?」
「………」
「うーん」
朝食を終えた私は、2枚のワンピースを両手に持ち鏡の前に立っていた。
「迷ってるのか?」
背後から突然響いた声に肩が跳ねる。
部屋の入口で、颯が壁に寄りかかりながら腕を組んで立っていた。
「……ちょっと、ノックくらいしてよ!」
「お前が開けっぱなしにしてるんだろ?」
颯が用意した「私専用ルーム」が、どこか自分の部屋の感覚になっていた私は、うっかりドアを開けたままにしていたことに今更気づいた。
「そうだった……」
颯は涼しい顔で部屋に入ってくると、私が手にしていたミニ丈のワンピースを見てわずかに目を細める。
「それは、露出が多すぎる」
「えー、でも可愛くない?」
「似合うけど……変な”虫”が寄ってきたら困るだろ?」
「えっ……虫はちょっと、苦手だから困る……」
颯はふっと笑うと、丈の長い方のワンピースを指差した。
「俺は、こっちがいいと思うよ。……美桜の白さが引き立つし、上品だ」
「……じゃあ、お兄ちゃんがそう言うなら……」
私は、言われるままに颯が選んだワンピースに着替えた。
そして靴を履く私の隣に、彼は当然のような顔をして並んだ。
「俺も一緒に行くよ。お前一人じゃ迷うだろうし」
「大丈夫だよ……多分」
玄関の鏡で前髪を整える颯が、鏡越しに私を見る。
「多分、だろ?」
「………」

