***
「美桜ちゃん、おはよー」
大学に着くと、碧くんが資料を広げたテーブルで、
にこにこと頬杖をつきながら私を待っていた。
「ごめんね、遅くなって。席も取っておいてくれてありがとう!」
「ううん、俺も今来たとこ。じゃ、やろっか」
そう言うと碧くんは「これ、模擬店なんだけど……」とすぐに手元の資料を見せてくれた。
いつもの軽いノリと違って、意外と真面目で仕事が丁寧な一面があることに少し驚く。
「すごい……こんなに細かく考えてるなんて」
私がぽつりと漏らすと、碧くんは笑った。
「えー、本当? 美桜ちゃんに褒められると頑張った甲斐あるわ」
碧くんの発想は自由で楽しくて、
自然とこっちまで笑顔になる。
私たちはしばらく文化祭のアイデアを出し合った。
「よし、一旦こんなもんかな。ところでさ……」
碧くんはペンを置くと、私の服装に視線を向けた。
「そのカーディガン、やっぱり暑くない? 実はさっきから気になってて」
「あ……ちょっと、冷房対策で……」
「本当に? でもそれ、男もんのやつじゃない?」
笑って誤魔化す私に、碧くんは鋭く突っ込んだ。
(あ、たしかに……)
今思えば、暗めの色は
私のワンピースから浮いて見えた。
「実は、颯から貸されて。露出が多いし日焼けするからって」
「あー、やっぱり。あの人、相変わらず過保護なんだね……でもさ、無理に着る必要ないんじゃない?」
「……え?」
「だって、美桜ちゃんが着たくて着てるんでしょ?それを他人がとやかく言う必要ないと思うし。……それに、せっかくお洒落な服着てるのに、誰にも見てもらえないなんて勿体無いじゃん。室内だけでも、脱いでいいんじゃない?」
碧くんがふっと目を細めて、
私に微笑む。
その言葉に、ふわっと心が動かされた。
(確かに、碧くんの言う通りかも。お兄ちゃんは心配して言ってくれてるんだろうけど……誰にも見てもらえないのは)
私は肩に手を伸ばし、
颯から借りたカーディガンをするりと外した。
「いいじゃん、そっちの方が絶対可愛い」
碧くんが頬杖をつきながら、
私ににこりと微笑む。
その瞬間、自分でも
肩にのしかかっていた重さが取れたように、
ふわっと軽くなった気がした。
「美桜ちゃん、おはよー」
大学に着くと、碧くんが資料を広げたテーブルで、
にこにこと頬杖をつきながら私を待っていた。
「ごめんね、遅くなって。席も取っておいてくれてありがとう!」
「ううん、俺も今来たとこ。じゃ、やろっか」
そう言うと碧くんは「これ、模擬店なんだけど……」とすぐに手元の資料を見せてくれた。
いつもの軽いノリと違って、意外と真面目で仕事が丁寧な一面があることに少し驚く。
「すごい……こんなに細かく考えてるなんて」
私がぽつりと漏らすと、碧くんは笑った。
「えー、本当? 美桜ちゃんに褒められると頑張った甲斐あるわ」
碧くんの発想は自由で楽しくて、
自然とこっちまで笑顔になる。
私たちはしばらく文化祭のアイデアを出し合った。
「よし、一旦こんなもんかな。ところでさ……」
碧くんはペンを置くと、私の服装に視線を向けた。
「そのカーディガン、やっぱり暑くない? 実はさっきから気になってて」
「あ……ちょっと、冷房対策で……」
「本当に? でもそれ、男もんのやつじゃない?」
笑って誤魔化す私に、碧くんは鋭く突っ込んだ。
(あ、たしかに……)
今思えば、暗めの色は
私のワンピースから浮いて見えた。
「実は、颯から貸されて。露出が多いし日焼けするからって」
「あー、やっぱり。あの人、相変わらず過保護なんだね……でもさ、無理に着る必要ないんじゃない?」
「……え?」
「だって、美桜ちゃんが着たくて着てるんでしょ?それを他人がとやかく言う必要ないと思うし。……それに、せっかくお洒落な服着てるのに、誰にも見てもらえないなんて勿体無いじゃん。室内だけでも、脱いでいいんじゃない?」
碧くんがふっと目を細めて、
私に微笑む。
その言葉に、ふわっと心が動かされた。
(確かに、碧くんの言う通りかも。お兄ちゃんは心配して言ってくれてるんだろうけど……誰にも見てもらえないのは)
私は肩に手を伸ばし、
颯から借りたカーディガンをするりと外した。
「いいじゃん、そっちの方が絶対可愛い」
碧くんが頬杖をつきながら、
私ににこりと微笑む。
その瞬間、自分でも
肩にのしかかっていた重さが取れたように、
ふわっと軽くなった気がした。

