《怜央視点》
久遠家の集まりは、好きではない。
子どもの頃から変わらない。礼儀と血筋と立場が、食卓の上にまできっちり並ぶあの空気は息が詰まる。
それでも今日は、梨音を連れて行かなければならない。
本当は連れて行きたくない、と思う自分がいる。
あの場所には、人を値踏みする目がある。
外から来た人間に、平気で線を引く声がある。
なのに、隣に立つ梨音を見た瞬間、考えが少し変わる。
濃紺のドレスはよく似合っていた。
緊張で肩に力が入っているのに、逃げずにこちらを見る目がまっすぐで、どうしようもなく目を離せない。
守りたい、と思う。
記憶があってもなくても、たぶん答えは変わらない。
彼女に嫌な顔はさせたくない。
傷つける言葉から遠ざけたい。
そしてできるなら、会食なんてどうでもよくなるくらい、今夜も自分だけを見ていてほしい。
久遠家の集まりは、好きではない。
子どもの頃から変わらない。礼儀と血筋と立場が、食卓の上にまできっちり並ぶあの空気は息が詰まる。
それでも今日は、梨音を連れて行かなければならない。
本当は連れて行きたくない、と思う自分がいる。
あの場所には、人を値踏みする目がある。
外から来た人間に、平気で線を引く声がある。
なのに、隣に立つ梨音を見た瞬間、考えが少し変わる。
濃紺のドレスはよく似合っていた。
緊張で肩に力が入っているのに、逃げずにこちらを見る目がまっすぐで、どうしようもなく目を離せない。
守りたい、と思う。
記憶があってもなくても、たぶん答えは変わらない。
彼女に嫌な顔はさせたくない。
傷つける言葉から遠ざけたい。
そしてできるなら、会食なんてどうでもよくなるくらい、今夜も自分だけを見ていてほしい。



