いつの間にか
何もない真っ白な空間に立っていた。
ここは……
どこ?
そう考えたのもつかの間。
視界の端に何か赤いものが映る。
何…?
鼻を刺激する
鉄のような匂い。
これは……
____________血?
私から少し離れたところ。
壁が真っ赤に染まっていた。
何これ……。
壁だけじゃない。
床にも広がっている。
それは壁をつたい、
床をも侵食し、
私の周りへと延びていた。
ふと、
何か声が聞こえた気がして
自分の足元を見る。
そこにいるのは
私の大切な人達。
頭が真っ白になって
何も考えられなくなった。
いつものような笑顔は
かけらもなく、
変わり果てたように
体中を紅に染めながら
苦しそうにうめいている。
訳が分からず、
そのまま動けずにいると
だんだんとうめき声が弱くなっていき
途絶えた。
もう誰も動かない。
「み、……づき……」
その声を最後に。
恐ろしいほどに静か。
どうして。
いったい何が?
そこまで考えて
自分の掌が、
体中が赤いことに気が付いた。
ただ、痛みはない。
ならこれは
この血は
私のじゃなくて……。
あぁ。
そうだ。
そうだった。
全部思い出した。
私だ。
私がやったんだ……。
