「レミリア、お前との婚約を破棄して、フランドールとの婚約を決定する、文句があるか!」
こんなことを突然宣言してきたのは私の婚約者である公爵家のアルベルト様。
私は、淡々と「本当にフランドールでよろしいので?」と言うも、
「わっはっはっはっは!家のためというのならば姉妹どっちと婚約しようが変わらんわ!そしてフランドールのほうが慈悲深く優しくそして可愛い!どうしてお前みたいな可愛げもなく、残酷な女と婚約なんかしようか!」
「……本当に後悔しませんね?」
「するわけがない!お前とこのまま結婚するほうが後悔するわ!どうせ家の繋がりでお前のところみたいな新興貴族と結婚とかしないといけないのであれば、可愛い優しいフランドールとするに決まっている!」
「分かりました、謹んで婚約破棄を承りますわ!」
……言質を取ったのでどうでもいい、もちろん勝手に婚約破棄を受け入れたことをお父様に、いやお父様よりもお母様に文句を言われるでしょうが、相手にゴリ押されたんで、万々歳!
この男との婚約は嫌で嫌で仕方なかったのだが、家のためにいっていただけなので、まさかフランドールに走ってくれるとは望外の喜び!
私は断定していいと思いますが、絶対に後悔すると思いますけどね……!
だってフランドールは……
そしてさっそくフランドールが姿を現した!
「……お姉様ごめんなさい!私アルベルト様に愛されてしまって……だって愛が無い結婚をしないといけないお姉様から私は解放してあげないと!」
……ほら始まった、明らかに自分が結婚したいくせに、私のために結婚をする犠牲者と来たものだ……!
ここまで恐ろしいどういうロジックで脳内変換がされているか知らないが、フランドールは信じられないレベルで、恩着せがましいのだ!
どんなことでも、相手のためになってしまう。
それがどれほど自分のためであってもだ!
客観的には自分が大量の宝石、相手には些細な石ころ、これであっても、相手のためであるみたいなことを言えるタイプなのだから、どういう神経をしていればそうなれるのか、私には理解できない。
バカベルト様はフランドールの異常さを知ればきっと後悔する。
だって本当にどんな些細なことすら、どれほど自分に得があろうが、全部相手にいいことをしたつもりでいる人間なのだから!
家に帰ると勝手なことをしたことをお母様に激怒された!
「レミリア!何を考えているの!勝手なことをしてなんだと思っているの!」
しかしお父様がそれを止める……
「……まぁ勝手な事をしたのは良くないが、これは家にとっては喜ばしいことである!」
「あなたどういうことかしら?」
「……考えてもみろ!フランドールは確かに一見良令嬢に見えるが、少しでも接すれば異常さはバレる!それがわざわざ相手から選んでくれたのだぞ!公爵様と言えど、自分の息子が婚約者を変えろと言った手前、元に戻せとは言えまい、つまりだ、結婚に難儀する女をわざわざ引き取ってくれた上に、文句も言われない、最高の状況では無いか!さらにレミリアならば良縁はきっと見つかるよ、ワシも知っておった、アルベルト殿と上手く行ってないことは!それでも家のために結婚してもらわないと困ってはいたが、解放されたことで一石二鳥では無いか!」
お父様はこのように信じられないくらい貴族としてシビアな方なので、私の行いを問題視しないことは読めていた……!
私もお父様の娘ですからね!
さて勝手なことをして公爵様も激怒したらしいが、お父様の読み通り、両家の繋がりは断ちたくないことで一致しているので、このままアルベルトとフランドールの婚約にスライドということで、話は付いた。
お父様は公爵様がお帰りになった後(普段ならばお父様が公爵家に向かうのだが、今回は公爵様が謝罪も兼ねていたので来て下さったようだ。公爵様は正しい方なのに、どうしてあんな馬鹿息子になったのか、うちのフランドールといい、教育ではどうにもならないことってあるのですね!)
お父様は高笑いをする!
「わっはっはっはっは!公爵様を私は特に責めたりしなかった何故だと思う?」
「後学のために教えてくださいお父様!」
「もちろん公爵様を怒らせたくないというのはあるが、今回は公爵家に否があるから、ある程度のことは言えただろう!だがあえて寛容に、人間関係は難しいことですからと公爵様をなだめておいた!これはどうせフランドールが問題を起こすだろうから、その時に、少しでも我々の印象を悪くしないためだ!我々が責めないことで、フランドールは公爵家が何とかしないとって、きっとあっちは思うに違いない!」
……とことんシビアなお人だ……
つまり問題児フランドールを押し付けた上に、政略結婚のメリットは遠慮なく取ろうということなのだろう……
ひいおじい様、おじい様、そしてお父様と三代に渡ってやり手で、子爵家から、伯爵家へと上がり、さらに公爵家とも政略結婚をできるようになったのは流石ですわ……!
「……まぁレミリアの器量ならば、きっと良い縁談は見つかるよ、私は誠意のためにレミリアを差し出したのに、あっちからわざわざフランドールを選んでくれたのだから、これほど嬉しいことは無い!」
……元々婚約破棄されようが一切愛が無かったのでどうでも良かったのですが、ここまでシビアなお父様の発言を聞くと、婚約破棄されて本当に良かったとまで心から思うようになった!
婚約破棄自体は恥ずかしいみたいな、貴族の考えよりも、お父様の発想のほうが正しいと思いますからね!
そしてアルベルトだが、ある日私を見ると言い出した!
「おいフランドールの代わりに元の婚約者に戻してやってもいいぞ!」
はぁ……何を言ってるのだか、まさか私に未練があると言うのでしょうか?
「……まさか後悔されたので?」
「こ……後悔などしていない!お前が気の毒に思ったから慈悲であるぞ!」
……何この恩着せがましさ、フランドールそっくりじゃないか!
でもフランドールはこのレベルの比じゃなく恩着せがましいから、きっと嫌になったのでしょうね……!
どうせ、私はお姉様の婚約者の汚名を着てまでアルベルト様と婚約してあげたとか何とか!
いやそれ明らかに同罪なんですけど、フランドールの中では美談にすり替わるから、そういうのを聞かされ続ければ、この馬鹿男でも嫌になるでしょうからね!
でも後悔してももう遅い。
両家のために、フランドールと《《お幸せな》》結婚生活を送ってください!
私は恩着せがましいフランドールはウンザリでしたが、アルベルトを奪ってくれたことだけは、初めて心から感謝しますわ!
どうしてあれを優しくて慈悲深いと思うのか!
中身を見ない人間だけが騙されるのですわ!
こんなことを突然宣言してきたのは私の婚約者である公爵家のアルベルト様。
私は、淡々と「本当にフランドールでよろしいので?」と言うも、
「わっはっはっはっは!家のためというのならば姉妹どっちと婚約しようが変わらんわ!そしてフランドールのほうが慈悲深く優しくそして可愛い!どうしてお前みたいな可愛げもなく、残酷な女と婚約なんかしようか!」
「……本当に後悔しませんね?」
「するわけがない!お前とこのまま結婚するほうが後悔するわ!どうせ家の繋がりでお前のところみたいな新興貴族と結婚とかしないといけないのであれば、可愛い優しいフランドールとするに決まっている!」
「分かりました、謹んで婚約破棄を承りますわ!」
……言質を取ったのでどうでもいい、もちろん勝手に婚約破棄を受け入れたことをお父様に、いやお父様よりもお母様に文句を言われるでしょうが、相手にゴリ押されたんで、万々歳!
この男との婚約は嫌で嫌で仕方なかったのだが、家のためにいっていただけなので、まさかフランドールに走ってくれるとは望外の喜び!
私は断定していいと思いますが、絶対に後悔すると思いますけどね……!
だってフランドールは……
そしてさっそくフランドールが姿を現した!
「……お姉様ごめんなさい!私アルベルト様に愛されてしまって……だって愛が無い結婚をしないといけないお姉様から私は解放してあげないと!」
……ほら始まった、明らかに自分が結婚したいくせに、私のために結婚をする犠牲者と来たものだ……!
ここまで恐ろしいどういうロジックで脳内変換がされているか知らないが、フランドールは信じられないレベルで、恩着せがましいのだ!
どんなことでも、相手のためになってしまう。
それがどれほど自分のためであってもだ!
客観的には自分が大量の宝石、相手には些細な石ころ、これであっても、相手のためであるみたいなことを言えるタイプなのだから、どういう神経をしていればそうなれるのか、私には理解できない。
バカベルト様はフランドールの異常さを知ればきっと後悔する。
だって本当にどんな些細なことすら、どれほど自分に得があろうが、全部相手にいいことをしたつもりでいる人間なのだから!
家に帰ると勝手なことをしたことをお母様に激怒された!
「レミリア!何を考えているの!勝手なことをしてなんだと思っているの!」
しかしお父様がそれを止める……
「……まぁ勝手な事をしたのは良くないが、これは家にとっては喜ばしいことである!」
「あなたどういうことかしら?」
「……考えてもみろ!フランドールは確かに一見良令嬢に見えるが、少しでも接すれば異常さはバレる!それがわざわざ相手から選んでくれたのだぞ!公爵様と言えど、自分の息子が婚約者を変えろと言った手前、元に戻せとは言えまい、つまりだ、結婚に難儀する女をわざわざ引き取ってくれた上に、文句も言われない、最高の状況では無いか!さらにレミリアならば良縁はきっと見つかるよ、ワシも知っておった、アルベルト殿と上手く行ってないことは!それでも家のために結婚してもらわないと困ってはいたが、解放されたことで一石二鳥では無いか!」
お父様はこのように信じられないくらい貴族としてシビアな方なので、私の行いを問題視しないことは読めていた……!
私もお父様の娘ですからね!
さて勝手なことをして公爵様も激怒したらしいが、お父様の読み通り、両家の繋がりは断ちたくないことで一致しているので、このままアルベルトとフランドールの婚約にスライドということで、話は付いた。
お父様は公爵様がお帰りになった後(普段ならばお父様が公爵家に向かうのだが、今回は公爵様が謝罪も兼ねていたので来て下さったようだ。公爵様は正しい方なのに、どうしてあんな馬鹿息子になったのか、うちのフランドールといい、教育ではどうにもならないことってあるのですね!)
お父様は高笑いをする!
「わっはっはっはっは!公爵様を私は特に責めたりしなかった何故だと思う?」
「後学のために教えてくださいお父様!」
「もちろん公爵様を怒らせたくないというのはあるが、今回は公爵家に否があるから、ある程度のことは言えただろう!だがあえて寛容に、人間関係は難しいことですからと公爵様をなだめておいた!これはどうせフランドールが問題を起こすだろうから、その時に、少しでも我々の印象を悪くしないためだ!我々が責めないことで、フランドールは公爵家が何とかしないとって、きっとあっちは思うに違いない!」
……とことんシビアなお人だ……
つまり問題児フランドールを押し付けた上に、政略結婚のメリットは遠慮なく取ろうということなのだろう……
ひいおじい様、おじい様、そしてお父様と三代に渡ってやり手で、子爵家から、伯爵家へと上がり、さらに公爵家とも政略結婚をできるようになったのは流石ですわ……!
「……まぁレミリアの器量ならば、きっと良い縁談は見つかるよ、私は誠意のためにレミリアを差し出したのに、あっちからわざわざフランドールを選んでくれたのだから、これほど嬉しいことは無い!」
……元々婚約破棄されようが一切愛が無かったのでどうでも良かったのですが、ここまでシビアなお父様の発言を聞くと、婚約破棄されて本当に良かったとまで心から思うようになった!
婚約破棄自体は恥ずかしいみたいな、貴族の考えよりも、お父様の発想のほうが正しいと思いますからね!
そしてアルベルトだが、ある日私を見ると言い出した!
「おいフランドールの代わりに元の婚約者に戻してやってもいいぞ!」
はぁ……何を言ってるのだか、まさか私に未練があると言うのでしょうか?
「……まさか後悔されたので?」
「こ……後悔などしていない!お前が気の毒に思ったから慈悲であるぞ!」
……何この恩着せがましさ、フランドールそっくりじゃないか!
でもフランドールはこのレベルの比じゃなく恩着せがましいから、きっと嫌になったのでしょうね……!
どうせ、私はお姉様の婚約者の汚名を着てまでアルベルト様と婚約してあげたとか何とか!
いやそれ明らかに同罪なんですけど、フランドールの中では美談にすり替わるから、そういうのを聞かされ続ければ、この馬鹿男でも嫌になるでしょうからね!
でも後悔してももう遅い。
両家のために、フランドールと《《お幸せな》》結婚生活を送ってください!
私は恩着せがましいフランドールはウンザリでしたが、アルベルトを奪ってくれたことだけは、初めて心から感謝しますわ!
どうしてあれを優しくて慈悲深いと思うのか!
中身を見ない人間だけが騙されるのですわ!

