祝。アフディーとイリオネスの冒険

「ビッグバンという名に始まる宇宙の誕生から、渦巻く銀河、そして小さな太陽系……。あらゆる場所に、数え切れないほどの歴史や、愛憎渦巻く争いの物語が刻まれてきた。だが、それらもまた、気の遠くなるような時の奔流(ほんりゅう)に飲まれ、人々の記憶からは静かに零れ落ちてしまったのだよ」

 二人は圧倒され、息をすることさえ忘れて、前後左右を音もなく流れゆく神秘的な星図に見入っていました。

 まるで、星々の囁きが直接心に届くかのような、不思議な静寂に包まれています。

 煌(きら)めく光の残像の中には、かつて歴史を動かした英雄の雄叫びや、激動の時代を駆け抜けた人々の影。

 そして――名もなき誰かが過ごした、穏やかな日常の断片が映し出されていました。

 無数の物語が、まるで銀幕に映し出される古い映画のように浮かび上がっては、柔らかな星屑となって流れていきます。

「ここはね、大人が忘れてしまった無垢な心、あるいは、日々の重荷で少しだけ疲れてしまった魂を洗い流し、真実を取り戻すための聖域なのだよ」

 沈黙を破ったのは、アフディーの背中に隠れていたイリオネスでした。

 彼女は震える小さな拳をぎゅっと握りしめ、精一杯の勇気を振り絞ります。