*
チリンチリン。
お店の不気味な外観とは釣り合わない、高い音が響く。
「あの...」
「なんの感情を喪くしたいんですか。」
かなりミステリアスな外見をした店主は、当たり前のようにそう尋ねてきた。
「あー、えっと」
「なんか、負の感情を取り除きたいんですけど」
店主は無表情のまま、私を案内した。
どこか遠くを見つめているような、鋭く冷たい目。
「この部屋に入る前に、注意事項が一つあります。」
「はい」
「感情を一度喪くしたら、その感情を再度味わうことは出来なくなります。」
「...分かりました」
注意事項と言っても、案外当たり前のことじゃんと思った。
だって、私はその覚悟を持って来たんだからさ。
「では、この部屋に十分間お入りください。」
入る前に一度唾を飲み込んでから、開けられたドアの向こうに足を踏み入れた。
寒気と共に、パタン、とドアの閉じる音がした。
見たことのない変な部屋。
こんなところに十分間もいるなんて、逆に怖い感情が増えそうだ。
そう思いながら、私は長い時を過ごした。
チリンチリン。
お店の不気味な外観とは釣り合わない、高い音が響く。
「あの...」
「なんの感情を喪くしたいんですか。」
かなりミステリアスな外見をした店主は、当たり前のようにそう尋ねてきた。
「あー、えっと」
「なんか、負の感情を取り除きたいんですけど」
店主は無表情のまま、私を案内した。
どこか遠くを見つめているような、鋭く冷たい目。
「この部屋に入る前に、注意事項が一つあります。」
「はい」
「感情を一度喪くしたら、その感情を再度味わうことは出来なくなります。」
「...分かりました」
注意事項と言っても、案外当たり前のことじゃんと思った。
だって、私はその覚悟を持って来たんだからさ。
「では、この部屋に十分間お入りください。」
入る前に一度唾を飲み込んでから、開けられたドアの向こうに足を踏み入れた。
寒気と共に、パタン、とドアの閉じる音がした。
見たことのない変な部屋。
こんなところに十分間もいるなんて、逆に怖い感情が増えそうだ。
そう思いながら、私は長い時を過ごした。



