この恋が叶わないとしても

「おはよー」「おはよー」

朝、長い中学校の道のりを乗り越え、教室に入り、友達とあいさつをする。

荷物を片付けたあと、向かいの校舎の三階を確認する。

今日は見れないかな…。

中学校に入学して、そろそろ二週間。

毎日の日課ともなっている、三年生の教室を確認すること。

その理由は、好きな人。

三年生の横田陽大(はると)くん。

学童クラブで知り合い、かれこれ三年間片思い中。

でもこの恋はかなわないと分かっている。

彼は私の親友と付き合っているから。

かわいくて、明るくて、面白い彼女のことを好きにならないほうがおかしいくらいだ。

だから大丈夫。

彼が私のことを好きじゃなくても、
私の親友と楽しそうにしていても。

あなたが幸せなら、それでいい。

私はあなたを見れるだけでも、それでも
嬉しいから。