素敵な笑顔を咲かせる君と

 紅茶は悪くなかった。まぁ普通に美味しかった。


(でもあそこ、映えを気にしすぎて味が一流とは言えないんだよなぁ・・・・・・)


 あのお店は一回行くだけでもういい、という脳内のリストを作る。
 やっぱり見た目が可愛くても落ち着いた味が欲しい。

 日曜日は久々に行きつけの喫茶店に行こうと決めた。


「花咲舞華! 聞いてるのか!!」


 教科書を乱暴に教卓に叩きつけながら怒鳴るのは、昨日私にカラコンを外せとほざいたメガネをかけた数学の先生。
 堅物で柔軟性なんてものはない。


「先生、そんなに教科書を雑に扱ったら可哀想ですよ〜。それに、また眉間の皺が深くなっちゃうし、ストレスで髪の毛も後退するんじゃないですかぁ?」


 頬杖をついて笑顔で言う。
 この先生に反抗するのは日常茶飯事で、私がこうやって先生を煽るたびに、クラスの人たちはみんなクスクスと笑う。


「大問三番! 答えろって言ってんだよ!」

「え? √3」

「正解! あと、俺の髪の毛が後退してるんじゃない! 俺が前進してるんだ!」

「なんの見栄?」


 せっかくみんな笑いを堪えていたのに、先生のボケで数人の生徒が吹き出してしまった。

 もお、先生ったらいつもこんなユーモアを持ってくれてたらいいのに。