素敵な笑顔を咲かせる君と

 初めて会った時、綺麗な目が印象的だった。
 いわゆる、オッドアイ。

 左目は普通の茶色で、右目が青色。
 理解しない人を相手にするのは大変だっただろう。


「ご注文は?」

「スーッ・・・・・・」


 僕に話しかけられたことに不満だったのか、それとも他の何かを考えていたのか。

 ゆっくりと息を吸って上を見た。

 その右目から目を離せなかった。
 目を奪われるとは、まさにこのことだった。


「きれい・・・・・・」


 気がついたら、そんなことを口にしていた。
 だって、本当に綺麗だ。

 まるで海をガラス玉に閉じ込めたような美しい目が僕を見てる。
 こんな綺麗な目に引き寄せられない人がどこにいるだろうか。


「気まぐれケーキとコーヒー」


 静かに注文した声に、少しびっくりした。
 バイト中だというのに、ついぼーっとしてしまっていた。


「かしこまりました」


 そう言って、店長に彼女の注文を言いに行った。

 大学生くらいだろうか。
 仕事をしながら何回か目線を彼女にやる。

 スマホをいじっていて、僕の目線に気づくことはない。


「お待たせしました」


 そう言って注文されたコーヒーとケーキをテーブルに置いた。
 すると、彼女は目を輝かせて店長に笑顔を見せた。


「おじさぁん! 今日はショートケーキなんだねぇ!」


 また目を離せなかった。
 店長に向けた笑顔は、まるで花が咲いたような素敵な笑顔だったから。


「・・・・・・そんなガン見されると食べづらいんですけど。別にあげないよ?」

「・・・・・・いらないです」


 思っていたよりもお茶目な人のようだ。
 大事そうにショートケーキの皿を自分の方に近づけている。

 また、あの花が咲いたような綺麗な笑顔を見たい。
 そう思っていた。

 でもまさか、同じ高校に通ってるなんて思わないじゃないか。